墨田区でひない地鶏を使用した焼き鳥店「錦糸町ひない」「ひないスタンド」の2店舗を運営している、有限会社オグリッチの舟橋社長へインタビューを行いました。コロナ禍が始まったばかりの2020年6月頃に経営サポートに関する相談を受けました。今回のインタビューでは、相談するきっかけや実際に当社のサービスをご利用いただいた感想をお伺いしました。
伊藤:当社のサービスを利用しようと思ったきっかけを教えてください。
舟橋さん:私は2019年から私が錦糸町ひないの経営を前経営者から事業承継して経営を行っています。経営を引き継いでからは前年対比で約2倍近く売上高を増加させることができました。その一方で、手元のキャッシュが思うように積みあがっていかないという悩みを抱えていました。対策を行わないといけないと感じていた時に新型コロナウイルスが発生しました。当時はコロナ対策融資などの申し込みや営業自粛、時短営業と対応しなければいけないことが多々ある中で色々な情報をキャッチアップしながら行動していましたが、現場に立ちながら経営面を1人でやりくりすることに限界を感じていました。
伊藤:最初にご相談頂いたのは2020年6月というとコロナ禍の真っただ中でしたよね。
舟橋さん:当時は飲食店としての営業をほとんど実施できていない状況でした。コンサルティングを依頼するということは当然新たなコストが発生することになるのですが、長い目で収益性が高い経営ができるのであれば、このタイミングで立て直しを行いたいと考えていました。伊藤さんとは前職の酒販店時代に一緒に働いていたこともありましたし、お互いのことをよく知っているので安心して依頼をすることができました。
伊藤:そうですね。相談を受けた時は驚きました(笑)
舟橋さん:いつもありがとうございます(笑)お世辞抜きで感謝しています。
伊藤:こちらこそ、いつもありがとうございます。実際にどのようなサービスが良かったと感じていますか?
舟橋さん:今受けているサービスは、毎月の定例会議、売上日報の確認、店長会議への参加、チャット相談などがあるのですが、私が求めていた「収益性の高い企業になる」というオーダーに対してブレることなく助言してくれる点が良かったと感じています。
伊藤:具体的にはどのような点ですか?
舟橋さん:例えば、売上日報を報告する場面では、一日の売上だけではなく主要経費となる原価や人件費だけではなく、毎月の固定費を1日ごとに案分して入力をしています。これによって、1日ごとの収益状況を営業利益ベースで把握することができます。もちろん、アプリや会計ソフトを使用しても同じことはできるのですが、自分達で入力することで1日ごとの営業をしっかりと振り返ることができるようになりました。
伊藤:営業利益に対する意識は大きく変わりましたよね。
舟橋さん:はい、本当に変わりました。ご相談する前は売上だけ作れば良いと思っていましたが、今ではどのように利益を残すかということに重きを置いています。最近は私だけではなく、当社の社員の多くが「先月はどのくらい利益どのくらい出たんですか?」と聞いてくるまでになりました。
伊藤:それはすごいですね!経営者目線を持った人材の育成は他の経営者の方からもよく相談を受けています。何か工夫していることはありますか?
舟橋さん:当社の場合は、収益状況を隠さずに共有しているので、このような発言が生まれるようになったのだと思っています。また、最近は社員の打ち合わせにも伊藤さんが同席してくださるので、その際に経営者目線の考え方を理解しているようにも感じます。集計状況をリアルタイムで把握できるので、短いスパンでの対応は自分達だけでもある程度できるようになりました。中期的なスパンでの軌道修正は毎月の会議で伊藤さんと一緒に考えている状況です。
伊藤:数字に強いスタッフがいるということは強みになりますね。ご相談当時の悩みについては改善できているのでしょうか?
舟橋さん:はい、収益面ではかなり改善できていると思います。コロナ禍の収束という外部環境が好転したという要因はもちろんありますが、価値に見合った適正な値上げや商品開発などがうまくいっていると感じています。値上げ時にもABC分析をしっかりと実施し、FD比率のバランスなどを考えながら実施する様に助言を頂きましので、想定以上の結果を出すことができました。当社の場合は業態的な特徴として、ひない地鶏を使用した焼き鳥が主力商品になるため、どうしても原価率が高くなりがちです。そのため、単純に商品の値上げをするだけではなく、カテゴリーの設計や高収益メニューの設定などを行うことで総合的な原価コントロールを行っています。当社の社員の中に商品開発経験が方法な人材がいますので、日々試行錯誤を行っています。
伊藤:当社のサービスを受けることで効果が期待できるのはどのような企業や経営者でしょうか?
舟橋さん:飲食に対する情熱はあるが利益が出ていない企業、一生懸命営業していて売上は作れているが利益は出ない企業、などでしょうか。営業利益に着目できていないとか、着目できていても具体的な方法がわからないという場合には効果がでやすいと思います。伊藤さんのサポートの特徴として経営面の視点と飲食業界独特の視点の両方からの助言があるので、一般論や机上の空論にならないと感じています。また、私自身もそうでしたが、二代目経営者の方や事業を引き継いだ方も良いかと思います。営業面のオペレーションに自信があっても、財務面などの経営的な業務に不慣れなケースは多いと思います。
伊藤:ありがとうございます。今後、当社に改善してほしい内容などはありますか?
舟橋さん:社員向けの育成支援を行って頂きたいと思います。現在も店長会議などに参加をしていただいているのですが、当社の社員には独立希望の社員も在籍しているため、彼らに向けた経営者塾のようなサービスがあっても良いと考えています。私自身が伝えることもできるのですが、今の段階では色々な企業を見ている方が話すことで圧倒的に説得力が向上すると思っています。
伊藤:最後に御社の今後のビジョンを教えてください。
舟橋さん:東東京を中心に5年後には10店舗を目指したいと思います。当社の「人々を豊かにする」という企業理念を達成するためには、スタッフやお客様など豊かにすることができる人々の分母を増やすこと必要です。そのためにも、店舗数を増やすことを目標の1つとしています。また、東東京は比較的にトレンドにさゆうされにくいエリアと思っています。これからもひない地鶏を使用するコンセプトをブレさせずに王道の商売で豊かになる人々を増やしていきたいと考えています。
伊藤:ありがとうございました。今後も御社のビジョン実現のためにサポートさせて頂きたいと思います。