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成功する値上げと失敗する値上げの違い

 企業の業績を大きく左右するものの1つに価格設定があります。「いつ値上げをすればよいか」「値上げの事例を知りたい」という相談を受けることも多いので、自社で関わった事例を中心に値上げのポイントをお伝えしたいと思います。

 

成功する値上げでは商品・サービスを再設計している

 単純に値上げをするのではなく、商品やサービスの設計を新しくしています。これまでの事例では、商品の値上げをする際にアフターサービスを付加して追加料金をもらう、納期を短くして値上げをする(逆のパターンでは価格を上げないで納期を長くする)、などがあります。

 付加価値をつけずにも実質的に値上げできる商品に誘導するという手法もあります。ある洋菓子店では20個入りのクッキーを1,200円で販売していましたが、5個入り400円で販売して売り上げは変化せずに増益を達成したこともあります。この事例では事前調査の段階で、「人に配るための500円以下の需要があるようだ」ということが明らかになっていたので取り組んだのですが、結果としては増益につなげることができました。

 商品を購入する際に、人は無意識のうちに比較しようとします。同様の商品・サービスが値上がりすると割高感が感じられたため値上げに対して納得されず、購入されない可能性もあります。そのため、顧客が比較しにくいということがポイントになりますので、追加サービスを増やす、新しい組み合わせを作る、ポーション(入数)を変えるなど、商品やサービスを再設計することが有効になります。

 

適切なタイミングで実施している

 適切なタイミングとはどのような時期を指すのでしょうか?1つの答えとして、自社の稼働率が100%に近い段階で実施する方法があります。値上げをする際に懸念する内容として「顧客が離反するのではないか?」ということがあります。当然ですが値上げをするデメリットとしては顧客数が減少することが懸念されます。そのため、相談を受けた際には100%ではないにしても稼働率がある程度高くなったタイミングで、顧客数が減少することを見込んで値上げを実施するように提案を行っています。ここでは、値上げによる粗利額の上昇と売上高減少の影響をどの程度まで許容できるか、しっかりと見定めることが特に重要です。

 また、既存の顧客に対してはなかなか値上げをしますということは言いにくいものです。このような場合は、事前にしっかりと伝えるということが重要です。業種や業界にもよりますが、これまでの経験では「半年後に値上げを想定しています」など少し余裕を持つことで納得を得られやすい傾向があります。逆に、顧客にとって急だと感じられるタイミングでは合意を得られないこともありました。

 

失敗する値上げでは短期的な目線が中心になっている

 需要が高くなる時期に価格を手法としてダイナミックプライシングという手法があります。年末年始に航空券やホテル・旅館の価格が高くなるという値付け方法です。これ自体が悪いということではないのですが、顧客にとっての価値が少ない場合はリピートの妨げにもなることもあります。ある飲食店では12月の忘年会シーズンにコース料理の値段を500円程度値上げしたところ、短期的には昨年対比で増益を達成することができました。しかし、3月の歓送迎会シーズンでは期待した通りの予約をできませんでした。結論としては、顧客が支払った価格に対して価値を感じなかったため、リピート率が低下したということです。値上げに見合った価値、例えば、飲み放題の種類を増やす、食材のグレードをUPするなど、わかりやすい訴求が必要だったと振り返っていました。

 

納得すべき理由が少ない

 上記した事例でもそうですが、「12月は忙しいから」「仕込みに手間がかかるから」「原材料の価格が上がっている」一見、納得できそうな理由ではありますが、顧客にとってはあまり関係ないものです。理解してくれる顧客はいるものの、競合相手がより高いサービスを行っている場合は失注につながってしまいます。「少し価格は高くなりますが、○○を提供できます」といった考え方が求められるのではないでしょうか。

 それぞれの企業が置かれた状況によってどの手法が効果的なのかということは一概には言えませんが、成功する値上げでは顧客がどう感じるか、どう行動するか考えていると言えます。一方で、失敗する値上げは自社の都合が優先されている、という傾向があります。これらを踏まえて、しっかりと利益が残る価格設定を行っていきましょう。

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