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【コンサルティング事例】新規事業に向けて計画の具体化と見直し

 茂原市内でパティスリーアルを運営している、富塚さんにインタビューを行いました。洋菓子の小売販売を行う傍ら、店舗の空きスペースを活用して自動販売機による販売も取り組まれています。今回は、経営革新計画を策定したきっかけや計画作成後の取り組みについてお話を伺いました。

伊藤:自動販売機での販売は面白い取り組みですね。

富塚さん:そうですね、餃子販売を行っている自動販売機は街中でもよく見かけますが、洋菓子販売は多くはないかも知れないですね。きっかけは定休日に商品を買いに来るお客様が結構多くいらしたことから、年中無休で販売できないかと考えたことでした。しかし、製造から販売までの多くを私一人で担っているため、店舗を毎日開くことではないと考えていました。そして、事業構想をしている間に、2020年にコロナ禍に突入しました。

店舗敷地内の自動販売機コーナー

伊藤:コロナ禍では無人販売の店舗が増えましたね。

富塚さん:無人販売や自動販売機に関する補助金なども整備されていたため、当店も利用させて頂きました。店舗の立地は通行量も少ないため、周囲からは「売れないからやめておけ」と言われましたが、実際に1台置いてみるとじわじわと売り上げが伸びていきました。その後は、中古の自動販売機の流通量も増えたことから、程度の良い自動販売機を導入しやすくなりましたので少しずつ増設を行っています。

伊藤:完全に下馬評を覆しましたね!具体的にはどのような商品を取り扱っているのですか?

富塚さん:当店の主力商品であるマカロンを中心に販売を開始しました。自動販売機限定商品やプチギフトに使えるようなアソートの商品も販売しています。そして、現在は自動販売機以外にもガチャガチャを設置していまして、ちょっとしたおもちゃ、キーホルダーなどを購入することができます。

マカロンなどの生菓子
店内の様子
事前予約のバースデーケーキ

伊藤:私が家族でお邪魔した時には、ウチの子供も目をキラキラさせていました(笑)

富塚さん:小さい子供は楽しいですよね。子供に楽しんでもらうことはある程度想定していたのですが、意外と大人のお客様もガチャガチャを使って頂いています。私たちが子供のころは完全に子供用という立ち位置でしたが、今では大人をターゲットにした商品開発も行われているそうです。当店では売上や利益を獲得することよりも、来店してくれたお客様が楽しんでくれたら嬉しいという思いで設置しています。

伊藤:本当に色々な新しい取り組みをされていますが、今回はなぜ経営革新計画の策定に興味を持たれたのですか?

富塚さん:今後の展開として無人店舗の構想がありまして、その事業に使える補助金がないかと探しているタイミングで経営革新計画のことを知りました。今までにやってきた事業の延長線上にあることは間違いないのですが、新たな取り組みということもあるので第三者からの客観的な意見や助言を聞いてみたいということが狙いでした。

富塚さんが実施に作成したシート

伊藤:3回のコンサルティングで事業計画を作るという中で、受講する側としてのご負担はありませんでしたか?

富塚さん:事業計画を作るためのワークシートがあったので、素直に講義の通りに進めていった印象でした。普段から頭の中には新規事業のイメージがあったので、書き始めるとすらすらと作成することができました。唯一、売上や利益の計画を立てるパートは少し戸惑ってしまう場面がありました。今まではなんとなく売上のイメージはあったのですが、固定費や初期投資を踏まえて利益計画を考えたのは初めてでした。実際に利益計画を立ててみると、意外と利益が少ないということに気づけたので、当初よりも初期投資を抑える計画に修正を行っています。

伊藤:実際に事業計画を作ってみて良かったと感じたことはありますか?

富塚さん:先ほどお話したことと重複してしまうのですが、利益計画を具体的に立てることで、初期投資の回収期間が意外と長くなってしまうということに気づけました。また、具体的にやるべきことを洗い出して、そこに期限を入れていく過程で「しっかりとやらないといけないな」と思うようになりました。自分一人でやっていると、ついつい先送りにしていたことを1つずつ実行することができました。新店舗の物件がなかなか見つからず、県への申請はまだできていないのですが、物件が見つかればすぐに経営革新計画の申請もしたいと考えています。

伊藤:行動につながっているということは素晴らしいですね。どのような事業者の方が経営革新計画の策定をすると効果があると思いますか?

富塚さん:これから創業したい人、新規事業を立ち上げたいという人は参考になる点が多いと思います。あとは、自分の新規事業の構想を後押ししてほしい人や、客観的に厳しい意見を言ってほしいという人も良いと思います。やはり、経営者が一度やろうと決めると自分にとって都合の良い情報など、見たいものしか見なくなってしまう傾向もあると思います。色々な企業支援や事業計画を見ている方からの視点というのはとても参考になりました。

富塚さん

伊藤:ありがとうございます。最後に今後の御社の目標を教えてください。

富塚さん:今後の目標としては、現在の店舗を省人化していきたいと考えています。また、取り扱う商品としては洋菓子に限定することなく、日用品などについても取り扱っていきたいと考えています。店舗の立地は奥まったところにあり、コンビニなどが出店するエリアではありませんが、生活用品を気軽に買いたいというニーズがあると考えています。近隣に住んでいる方の利便性が高められる店舗になっていければ良いと思っています。

伊藤:今後の展開にも期待しております。ありがとうございました。

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