ここ数年は毎年数百人の新入社員と接していますが、今年もフレッシュな気持ちを持った方々と会うことをとても楽しみにしています。今日は新入社員が4月に抱えている不安、それに対する解決アイデアについてご紹介したいと思います。
1.コミュニケーションに関する不安
一番多く耳にする内容はコミュニケーションに関するものです。具体的には、同期社員と仲良くなれるだろうか、わからないことがあった時に相談できる先輩はいるのか、といった内容です。私自身も経験がありますが、身近に顔見知りがいない環境というのは非常に心細いものです。
解決策としては、顔見知りができる環境を創り出すことが効果的で簡単な方法です。同期間の関係性を構築する方法としては、同期で座談会を行う、チームで協働するゲームや研修を行う、食事を伴う交流会を行う、などがあります。ポイントは相手の人となりを自然に理解できるような工夫をするということです。人事担当者のファシリテーションスキルやゲームのネタを考えるということが必要になりますが、まずは新入社員同士の横のつながりを構築することは定着にもつながります。
困ったときの相談相手を作る方法としては、メンター制度が代表的です。ブラザー・シスター制度という呼称を使っている企業もあります。困ったときに相談できる先輩社員を1人決めておくことで、寄りどころが確保できるので安心することができます。ポイントは先輩社員に一定のコミュニケーションスキルが必要になることです。近年の若手社員の傾向を見ていると共感することが特に求められているように感じます。メンター制度以外には、ランチを一緒に行くメンバーを週替わりで決めておくなどの取り組みをしているケースもあります。
2.組織文化に対する不安
2つ目に取り上げるのは組織文化に対する不安です。業界による特性などはありますが、同じ業界であっても組織風土や文化、価値観というものは大きく異なります。個人の価値観は尊重されるべきですが、組織の理念や価値観を理解することが重要です。一方で、「うちの会社の価値観は○○だ」と一方的に押し付けても、理解されません。ポイントは理解と共感です。
具体的な解決策としては、企業の歴史や価値観を知ってもらうということです。企業の歴史や現在の価値観ができた背景を知るための座談会はとても効果的です。近年の若者は納得性を求める傾向が強いように感じています。なぜその価値観なのか?なぜ企業として大切にしてるのか?といった理由について、理解することで企業文化に対する共感を得られることが期待できます。
少し変わった事例では、「うちの会社あるある」を集めてノートにすることや、「社内用語辞典」などのノートを作成して配布しているところもあります。
3.プライベートとのバランス
最後に3つ目にプライベートと仕事のバランスに関するものがあります。特に残業や変則的な勤務時間に対する心配が多くあります。特に社会人になるタイミングで一人暮らしを始める方や寮生活が始まる方にとっては、仕事以外にも不慣れなことが多く不安に感じることが多くなりがちです。
解決策としては、先輩社員の生活モデルを共有できることが挙げられます。新入社員向けの冊子に先輩社員のインタビューや一日の過ごし方などを掲載すると、具体的なイメージを持つことができます。特に、終業後の翌日の準備や始業直後の過ごし方などは参考になると思います。
また、慣れない仕事で作業効率が低下してしまうことを予防するために、先輩社員が行っている業務の優先順位付けについてもインタビューの中で紹介することもおすすめです。仕事の効率化ができれば、終業後のプライベートの時間も確保しやすくなります。
今回紹介した取り組みは時間を確保すれば実現可能性は高いと思いますが、緊急度が低いのでついつい後回しにされているという話を聞くことがあります。新入社員の不安を少しでも払しょくすることは定着につながります。そして、定着することは長い目でみると組織の力に変化します。迎え入れる側ができそうなことも積極的にチャレンジしていきましょう。