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新規事業を計画する時に注意したい4つのポイント
2020年5月27日
コロナウイルスの影響が長引くことが想定されている中、多くの企業が新たな取り組みを模索しています。これ自体は素晴らしいことですし、世の中が大きく変化するタイミングをチャンスととらえることもできます。一方で、これまで経営革新(新規事業)の作成支援では「期待した効果が得られなかった」「社長の業務負担が増えた」「1年たっても実行できなかった」といった、失敗したケースもありました。経営革新計画という形で新規事業計画の作成を支援した経験から、新たな取り組みを成功させるために必要な注意すべき4つのポイントをお伝えします。
1つ目のポイントは、目的とゴールを明確にすることです。何か新しい取り組みを行う時には必ず背景があります。例えば、今回のようなコロナウイルスのような影響によって様々な業種を受けていますが、飲食業などでは自粛によって店内飲食の大幅な売り上げの減少が発生しています。このような背景に対して、何のために新たな取り組みを行うのか?ということを明確にする必要があります。
多くのケースでは「売上減少を食い止める」という目的のために行うという目的があると思いますが、その場合は売上金額を増やすことがゴールになっていきます。別のケースでは、「コロナが収束した後に店舗に来てもらう」という目的を設定している店舗や企業もあります。この場合は売上金額よりもお客様がどれだけ満足したかということがゴールになってきます。満足度の場合は売上金額と違って数字で表すことが難しいですが、リピート率や口コミ経由の受注数といったものを指標にすることもできます。
上記2つのケースでも目的が異なることで、設定すべきゴールが異なります。何のために新しい取り組みを行うのかということを初めの段階で明確にすることが大切です。また、新規事業を進めていく中で目的を達成できないと判断した場合は、早期に撤退するということを大事なポイントです。
2つ目のポイントは、目的とゴールを社内で共有することです。個人で事業を営んでいる人を除き、多くの企業は2人以上のチームで取り組んでいます。そのため、経営者1人がやる気を出していても、経営幹部や現場の従業員に伝わっていない様では行動に取り掛かることができません。また、引っ張る意味でのリーダーシップが強い経営者のもとでは、取り組み内容も具体的に指示するケースが多くなります。そうすることで従業員は指示されたことを忠実に行う能力は成長するものの、「目的やゴール」に対して自ら考えるという行動が減ってしまいます。
仮に、目的とゴールがしっかりと社員間で共有されているケースでは「社長の指示は○○でしたが、顧客の要望をまとめると▲▲という方法も良いかと思います」といったように、目的とゴールに対するアプローチ方法を修正するボトムアップ型の提案を期待することができます。実際に行動を促すことに加えて、状況の変化に乗じて方法をブラッシュアップできるようにしっかりと社内で共有していきましょう。
3つ目のポイントは小さい規模から始めるということです。新規事業を行う際には、顧客ニーズや市場動向、出店する場合はそのエリアの人口や乗降者数など市場調査を必ず行いますが、それでも期待した通りの成果がでるとは限りません。例えば、想定してた利用者と異なっていた、展示会で想定外の業者から引き合いがあった、なんていうことがあります。想定よりも受注が良かったなどポジティブな想定外であればまだ良いのですが、受注が全くないなどのネガティブな状況が発生することも想定されます。そのため、既存の設備で対応できる製品、納品するエリアや頻度を限定的にする、納期にゆとりをもつ、といったいくつかの制限を持って取り組むことを推奨しています。テストマーケティングを行う中で微調整を行い、新たな柱となりうる事業の育成を行いましょう。
4つ目のポイントは行動計画を具体的にすることです。計画を行動に移せない原因はいくつかありますが、その中でも特に多いのが「行動内容が曖昧だから」があります。コンサルティングを行っている企業に対する研修や社員向けの1on1ミーティングで行動計画を作成してもらうと、「クロージングを身につける」といった抽象的な行動計画が出てくることがあります。これでは具体的にどのような行動をすればよいか、計画を作成した本人もわかりません。具体的な行動にするためには「クロージングのトークスクリプトを作成する」「訪問前に練習する」といった内容にすることで、やるべきことを明確にできます。また、「誰が」「いつまでに」と言った観点も具体化させることが大切です。
そして、行動を行った後には振り返りをすることが重要です。そのために振り返りをするための基準や目指すべき姿をしっかりと設定することが効果的です。先ほどの例では、「トークスクリプトがなくてもクロージングトークができる」状態を100点とする、などです。行動内容と目指すべき姿を明確にすることで、1人1人の行動を加速させていきましょう。
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