先日ある経営者から相談を受けました。
その企業は経営体制を整えることを目的として、ここ数年でいろいろな取り組みをしてきました。人事制度の面では、評価制度を整えて、フィードバック面談も始め、残業時間も減っている。会社としてできることはやってきたつもりだったはずが、10年勤めてくれた30代の中堅社員が、ある日突然辞表を出してきた。とのことです。
しかも転職先は、待遇面では今より劣る会社だったそうです。
「理由を聞いても、はっきりしたことは言ってもらえなかった」と、その経営者は首をかしげていました。
「やりたいことがある」は、たいてい建前です
私が関わってきている大小さまざまな企業の人事担当者に退職理由を聞くと「やりたいことが他にある」が上位に出てきます。ただ正直なところ、これをそのまま受け取るのはかなり危険です。
実際に辞めていく人たちが「ここだけの話」として語る本音は、たいていこちらです。 「毎日仕事しているのに、何も変わっていない気がする」 「指示通りにこなしているだけで、自分で考える機会が少ない」
ただこういう言葉は角が立つので、飲み込まれます。代わりに出てくるのが「他にやりたいことが…」「給与面で…」という無難な一言です。
評価制度を整えても、面談を増やしても、残業を減らしても、この本音には届かないことがあります。なぜなら、問題は「制度」ではなく「日々の仕事の中身」にあるからです。
育つ職場と育たない職場の違い
育っている若手に話を聞くと、共通点があります。小さくても「自分で判断した仕事」を持っているんです。
失敗してもいい。うまくいかなくてもいい。「あの場面、自分で考えて動いた」という手応えの積み重ねが、人を育てます。
一方、育たない職場は仕事の量は多い。でも全部「やること」が決まっている。上司に確認しながら、指示通りに動くことが「正解」になっている。
こういう職場では、人はどんどん指示待ちになっていきます。10年いても、自分で判断できる範囲がほとんど広がっていない。そして気づいたころには「成長している実感がない」と感じて、出口を探し始めます。
待遇が劣る会社に転職したあの中堅社員も、もしかしたらそこに「判断できる仕事」があると期待しての転職だったのかもしれません。
みなさまの会社はいかがでしょうか
今週、みなさまの会社のメンバーは「自分で判断した仕事」がいくつありましたか?
「任せているよ」という方も多いと思います。ただ、その「任せている」が実は落とし穴になっている会社が、思いのほかたくさんあります。
仕事を「渡している」のと、判断を「任せている」のは、まったく別のことです。次回はその違いについて、具体的にお話しします。
ご質問や無料相談はこちらから受け付けています。若手が育つ組織づくりに関心のある方は、まず現状をお聞かせください。
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3月で小学校を卒業した息子とキャンプに行ってきました。今回は、いつになく設営や撤収を手伝ってくれて、かなり楽をさせていもらいました。あんなに小さかったのに、見た目も中身も成長しているんだと実感するばかりです。
キャンプ場は素晴らしかったのですが、翌朝は花粉のおかげでくしゃみと鼻水が止まらず。本当にどうにかしてもらいたいものです。。。