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若手社員との関りで変わる企業の未来 ~好まれる接し方~

 私が酒販店に勤務していた頃、上司の仕事の進め方を一方的に押し付けられ、モチベーションが大きく下がった経験があります。「この方法でやれ」と言われるだけで、なぜその方法が良いのか説明がなく、その結果、創意工夫する意欲が失われ、ただ言われた通りに仕事をこなすだけの日々に…。この経験から、先輩社員や上司の接し方がいかに重要かを身をもって学びました。

 若手社員との良好な関係構築は、組織の生産性や離職率に直結する重要な課題です。新しい環境に飛び込んだ若手社員が何を望み、何を嫌うのか理解することで、より良い職場環境を作り上げることができます。彼らの声に耳を傾け、適切なサポートを提供することが、組織全体の成長につながります。

若手社員が嫌う接し方

放置される不安

 新しく入社した社員にとって、「ほったらかし」は最も不安を感じる状況の一つです。やる気に満ち溢れている者の、仕事の進め方がわからない。忙しい先輩を目の当たりにしていると質問していいのかためらう、そんな中で一人取り残された感覚は、モチベーションを大きく下げてしまいます。「自分で考えろ」という意図があったとしても、経験の少ない若手にとっては単なる放置と感じられてしまいます。

理不尽な要求と矛盾した指示

 「なぜそうしなければならないのか」という理由が示されない指示や、先輩によって言うことが違うという状況は、若手社員を混乱させます。特に複数の上司から矛盾した指示を受けると、どのように対応すればよいか判断できず、不必要なストレスを抱えることになります。近年は目的志向を強く持つ傾向があるので、よりその特徴が顕著になっています。

比較される苦痛

「自分ならもっと早くできていた」「同期の〇〇さんはもうマスターしているのに」など、他者と比較されることは若手の自信を奪います。人それぞれ成長スピードや得意不得意があるにもかかわらず、単純比較されることで劣等感を植え付けられてしまいます。

学びの機会を奪う対応

 「一度教えたことは聞くな」という態度は、若手の成長意欲を著しく損ないます。新入社員がメモも取らずに同じことを聞いてきた時に、私自身も注意をした経験があります。その場合は、メモをとる様にをフィードバックをしましょう。しかしながら、複雑な業務を一度の説明で完全に理解することは難しく、確認や質問ができない環境では、ミスを恐れて自発的な行動ができなくなってしまいます。このような状況が続くと、組織全体の心理的安全性が低下することにつながってしまいます。結果として、重大な事故やインシデントの原因になるリスクがあります。

若手社員が好む接し方

積極的なコミュニケーション

 「今日の調子はどう?」「困っていることはない?」など、上司や先輩から声をかけてもらえることで、若手は安心感を得ます。特に入社直後は緊張している若手社員にとって、先輩からの自然な声かけは大きな支えになります。若手社員側も主体的な自己開示やコミュニケーションが期待されるところではありますが、自分から話しかけられる人が多くないこともまた事実です。もともと集団に所属している先輩社員からの声かけが重要です。

インフォーマルな交流機会

 飲み会や遊びなどの社外活動に誘われることで、若手は組織の一員として受け入れられていると感じます。これはマズローの5大欲求の社会的欲求に該当します。業務外の場での交流は、普段聞けない質問をしたり、先輩社員の経験談を聞いたりする貴重な機会となります。ただし、参加を強制するのではなく、選択肢として提供することが重要です。このテーマは非常に難しく、プライベートと仕事を分けたい方も多く一番意見が割れるところでもあります。私の経験としては、飲み会に呼ばれたくない方でも、入社したての頃は誘われて嬉しかったという方もいらっしゃいました。最終的には相手目線ということになることと思います。

成長の承認と評価

 「この前より上手くなったね」「あの難しい案件、よく乗り切ったね」など、成長や努力を認める言葉は、若手の自信とモチベーションを大きく高めます。小さな進歩でも見逃さず評価することで、若手は自分の成長を実感し、さらなる挑戦への意欲を持つことができるのです。ポイントは横との比較ではなく、本人の過去と現在をしっかりと観察してフィードバックを行うことです。

より良い組織文化を作るために

 若手社員との関わり方は、単なる個人間の問題ではなく、組織文化を形成する重要な要素です。次世代を担う若手が安心して成長できる環境を整えることは、中長期的な組織の発展に直結します。

 具体的な対策としては、定期的な1on1ミーティングの設定、メンター制度の導入、フィードバックの機会を増やすなど、組織的な取り組みが効果的です。また、上司や先輩社員向けのコミュニケーション研修も有効です。

 若手が働きやすい環境は、すべての社員にとって働きやすい環境でもあります。一人ひとりの違いを認め、相互理解と尊重に基づいたコミュニケーションを心がけることで、世代を超えた学び合いが生まれ、組織全体の活性化につながるでしょう。若手社員との関わり方を見直すことは、組織の未来を見つめ直すことへの近道とも考えられます。

【今回のアイキャッチ画像】

 3月に家族で沖縄旅行に出かけました。実は私、結婚式は沖縄で挙げております。挙式した教会に15年ぶりに子供を連れて行ったのですが、とても感慨深い経験でした。エモかったです(笑)次の旅行のリクエストも承っておりますので、父ちゃん頑張ります!!

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